グリーフとは
グリーフとは、さまざまな喪失感からの悲嘆。そして、その辛い感情が原因で心を閉ざしてしまっている状態。気持ちが内にこもってしまって、心にぽっかりと穴が空いてしまったような状況とも表現できます。
喪失には
喪失は別れ、亡くすことです。大切な親、兄弟を病気や事故等で亡くす。可愛がっていたペット、大切にしていた所有物の喪失。他にも転校による友との別れ、子離れに伴う「空の巣症候群」。受験に失敗したり、リストラ等による自信や希望をなくしてしまう。これらも喪失です。
悲嘆にくれるこの時の情動反応は喪失に伴うことが原因で、人として正常な情動反応と心理学では捉えています。ところが、この情動反応がご本人に耐え難い心理的、身体的な継続した苦痛となった場合にはサポートが必要とされます。
サポート必要な状況
心理的、身体的な苦痛を次の4つの反応に分けて見ます。
感情的反応 ・抑うつ状態 ・怒りイライラ ・孤独感 ・無感覚
認知的反応 ・自己非難 ・故人、無くしたものを想うことの没頭 ・記憶力、集中力の低下
行動的反応 ・落ち着かない ・引きこもり ・疲労感
身体的反応 ・食欲がない ・眠れない ・のぼせやすい ・元気が出ない
病院等では心療内科を勧められ抗うつ薬、入眠剤等の処方を受けることになります。
鍼灸東洋医学の見立て
鍼灸東洋医学では、能食 能動 能眠 能便 を大切な見立てとしています。
能食は、ご本人の感覚で美味しく食事が食べられている?ここからは施術者の見立てで、ご本人の消化吸収能力にあった食事量?
体を冷やす食材が多いかどうか?
能動は、ご本人が気持ちよく体動かせているか?施術者からは、運動量がご本人の体力にあったものかどうか?水分の摂り過ぎがないか?
能眠は、ご本人がよく眠れているか?施術者から入眠に不具合、入眠中度々目覚める、早くに目が覚めてしまうことがないか?起床時に疲れは取れているか?
能便は、決まった時間に便意、そして快便かどうか?目安として親指の先から一つ目の関節のシワに人差し指の先を当てて出来る輪っか。それがその方の便の太さとして最適とも言われています。
心理的、身体的な苦痛を次の4つの反応に分けていますが、いくつかの反応項目にまたがって苦痛として感じられると思います。鍼灸東洋医学では能食 能動 能眠 能便の見立てからツボ選択、自律神経の調整。血液の巡りをよくして。心身の苦痛を落ち着かせていきます。
来院されるお客様には、家族同様だったペットを亡くした。「その喪失感から今も立ち直れない」とのお話をして頂き、寄り添いながら鍼灸独自のツボ選択で前向きになられた方もおられます。
喪失に伴う悲嘆、この状況から前を向くことには時間も必要。心身に継続した不調を感じる時には鍼灸東洋医学も心を支えるお手伝いできます。