ツボのおはなし
ツボとは?
肩がこったり、腰が痛んだりする時に、自然と手が行く体の部位、そこを押さえると楽になったり痛みが軽減したりします。「押すと気持ちがいい」「さすると緊張がやわらぐ」部位があります。
実は鍼灸師が「ツボ」と呼んでいる部位はそれらの部位と重なることが多いのです。私たち鍼灸師が実際に用いる「ツボ」は、古くから認知されている「古典的ツボ」と現代医学をもとにした「ポイント」の2つがあります。
古典的ツボは、全身に360カ所以上あります。陰陽五行(いんようごぎょう)をもとに、お客様ごとに最適なツボを選択します。状態に応じ、鍼や灸などで刺激を加えることにより、「気(精神・神経)」「血(血液・内分泌等)」「水(体の水分量等)」の3つを改善することで、体のさまざまな不調を軽減することができます。
現代鍼灸は、解剖学をもとに神経・筋肉の走行、靭帯と骨の接合部分をポイントとしてとらえ、ストレスのかかっている部位へ施術を行います。それによって「痛み」「しびれ」などの苦痛を軽減することができます。
これまでの施術例から一例をご紹介いたします。
主訴:腰痛
性別:女性
年齢:60代
詳細:腰から下半身、足先までに冷えがあり。便通の調子が悪く、胃腸に不快感があるとの訴え。
施術:腰痛の施術を始める前に体調を整えることが重要と考え、まずは「冷え」「便通の改善」を試みた。同日、続けて腰痛に対する施術を行った。
鍼灸の立場では、体調を整えた後に腰痛を和らげる施術を行う方が結果的には回復が早くなると考えられています。一般に「冷え」「便秘」は腰の痛みと関係ないと思われがちですが、実は深く関係しています。
「古典的ツボ」と「ポイント」、この2つの「ツボ」ををうまく組み合わせ、適切な刺激を適切な施術を行うことにより、お客さまの痛みやお身体の不調を軽減するよう日々研鑽・研究に取り組んでいます。