誤嚥とは
今回は誤嚥と鍼灸です。年齢を重ねて筋力が低下する虚弱状況をフレイル(フレイルとは健康な状態と要介護状態の中間の状態。2014年、日本老年医学会より虚弱に変わる学術用語としてフレイルが用いられるようになりました)と表記します。今回のブログはフレイル表記せず、虚弱と表記しています。虚弱からは、歩行時よろめく、握力の低下でぺッボトルのキャップを開けられないなど連想されます。日常生活で虚弱を感じる変調に誤嚥(ごえん)があります。誤嚥とは食べ物や唾液が気管や肺に入ってしまうことです。飲み込む力が弱くなる、慌てて飲み込んだりすることで起こってきます。解剖書見ると気管が前方、後ろが食道です。飲食物が飲み込まれると口蓋挙上筋群(こうがいきょじょうきんぐん)が働いて上手に気管へ蓋がされ、飲食物が気管へ入らないようにしてくれます。
誤嚥の原因
気管に蓋をする口蓋挙上筋群は横紋筋でできています。自分の意思でも動かすことができます。このこと実感できるのは唾液を飲み込む時、唾は気管へ入らず食道へ。この一連の作用は迷走神経の働きで、自分で行なっています。
誤嚥は若い頃から飲食のペースの早さ、早いとその習慣変わらず、飲食物を飲み込むスピードに口蓋挙上筋群の働きが年齢と共についていけなくなる。また単純に年齢を重ねたことで筋群の蓋をピッタリ閉める機能が低下することあります。
口蓋挙上筋群の作動不十分の誤嚥に鍼灸は良作用する場合があります。口蓋挙上筋群の作動不十分とは、これら筋肉群を束ねる神経は迷走神経です。交感神経、副交感神経に分けられる自律神経のことです。口に入った飲食物がご自分にとって飲み込みやすい大きさにまでなっているか、適度な飲み込みやすい粘度を保っているか等判断するのも迷走神経の働きです。これら判断が上手にできないまま飲み込もうとすることが原因で、誤嚥、むせて咳き込んでしまう状態となります。場合によっては空腹ではあるのに誤嚥でむせてしまう事が心配、不安で食欲が落ちることもあります。
鍼灸による処置
鍼灸は唾液の分泌を促進させる作用があります。次に、口腔内で食べ物を適当な塊に分ける作用を主に舌が担っています。この舌を動かすのは脳からの神経です。不安、心配などの緊張を和らげることは脳からの神経の作用も働きやすくすること、舌の動きを良くする事へつながります。
誤嚥から誤嚥性肺炎へつながります。誤嚥性肺炎は死因の第6位です。
むせることが多くなったなどある場合はご相談ください。
